給湯器の水漏れトラブル
給湯器は、水道から出る冷たい水をお湯に変えてくれる機器で、やはり我々の生活に欠かせないものの一つです。給湯器がなければ温かいお風呂やシャワーを使うことはできないですし、シンクでお湯を出すこともできなくなります。
そんな給湯器にも、水漏れトラブルは付き物。水漏れだけであれば応急処置でなんとかなりますが、故障してお湯が出なくなってしまうとなにかと不便を強いられます。
こちらのページでは、給湯器の水漏れトラブルや修理方法、そして業者に修理依頼した場合の費用相場などについてまとめています。
給湯器の種類

給湯器は大きく分けてガス式と電気式の二つに分けることができますが、それとは別に16号・20号・24号という3パターンの区分けがあります。
16号というのは、1分間に出せるお湯が16Lということを示しており、使用する規模に応じて適切な号数が変わります。一般的に一人暮らしの家であれば16号で充分ですが、4人家族などでお風呂やキッチンを同時に使うことが想定されるようであれば、20号以上を選んでおけば問題ありません。
ガス式と電気式の違いについては、現在の日本で主流なのはガス式ですが、最近ではオール電化の家庭も増えたことで、電気式が増えている模様です。
それぞれの違いを更に詳しく確認しておきましょう。
設置コスト | 低い |
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光熱費 | 高い |
シェア比率 | もっとも高い |
注意点 | 光熱費が高くなる可能性がある |
設置コスト | やや高い |
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光熱費 | 低い |
シェア比率 | 低いながら増加傾向 |
注意点 | 導入から日が浅く、耐久面など不明点が多い |
設置コスト | やや高い |
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光熱費 | 低い |
シェア比率 | 低い |
注意点 | 貯湯タンクの設置スペースが必要 |
設置コスト | 高い |
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光熱費 | かなり低い |
シェア比率 | 低いながら増加傾向 |
注意点 | 導入費用がかなり高い |
ガス式給湯器
ガス給湯器は給湯する前にガスバーナーで水を加熱するシンプルな構造であり、設置コストが低いのがメリットの一つです。
ガスの種類によって光熱費が左右されたり、お湯が出るまでに少しタイムラグがあったりする点などがデメリットとして挙げられます。
また、エコジョーズという給湯する際に発生する熱を再利用する省エネタイプのガス給湯器は、ガス代が節約される他、環境にもやさしいものとしてシェアを広げています。
通常のものに比べて本体価格が高いことがネックではありますが、故障も少なく長い目で見た時のコストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
電気式給湯器
電気式給湯器は排気を必要としない分、ガス式よりもエコでクリーンだと言われています。設置に関する制限も少なく、光熱費も電気料金にまとめられる分、比較的割安になるでしょう。
さらに駆動音も小さくメリットは多いのですが、貯湯式であることが多く、その場合タンクの設置スペースが必要になります。そのため、集合住宅に後から取り付けるとなると条件が合わないことが多く、戸建てで使用されている場合がほとんどです。
電気式の中でも電熱ヒーターを使って水を温めるものと、大気の熱を使うヒートポンプ式のものとに分けられます。現在増えているオール電化住宅では、ヒートポンプ式のエコキュートが主流です。
給湯器で水漏れが起きる原因

給湯器で起きる水漏れは、主に給湯管の経年劣化が原因です。給湯管に穴が開いてしまう、接続部のゴムパッキンが劣化するなどして、水漏れへと発展します。
給湯器本体の寿命は概ね10年程度と言われていますが、通常の家電に比べても使用時に本体へかかる圧力は高く、経年劣化のリスクは避けることができません。この他、安全弁や減圧弁といった部分が故障して水漏れすることもあります。
また、給湯器には圧力がかかりすぎた際に、水抜き栓から水を排出して減圧する機能が付いています。栓から水が出ているのを水漏れ故障と勘違いしてしまうケースも多いようですが、これは正常な機能の一つなのでご注意ください。
常時水が漏れているようであれば、それは故障なので修理業者やメーカーに依頼して状態を見てもらうようにしましょう。
給湯器の修水漏れ修理

給湯器の中でも特にガス式の場合、機器からガス管へと接続されているため、素人が下手にいじることはおすすめできません。なぜなら爆発などの惨事へとつながる危険性があるからです。
原則として、給湯器で起きたトラブルは、専門の業者に依頼して修理してもらうようにしてください。
業者が行う修理方法を簡単におさらいしておきましょう。
配管からの水漏れ
給湯器から伸びる配管における水漏れは、目に見えている部分であれば直接補修をすることで対応可能です。
見えない箇所の場合、水圧テストを行いどこから水漏れしているのかをまず特定するとことから入ります。
水漏れしている箇所の補修は、ガスバーナーを使ってハンダを入れていくという作業が必要になり、これもやはり素人では難しいものと言えるでしょう。
また、給湯管のパッキンが破損している時は、新しいものへと交換するだけで問題解決となる場合がほとんどです。
本体やその付近からの水漏れ
本体やその付近から水漏れを起こしている場合は、給湯器内部の修理が必要になります。そこで修理が困難であると判断されれば、本体を交換するしかありません。
本体の修理となると、そのための部品の取り寄せから必要になりますが、生産が終了していて不可能となるケースも珍しくありません。そういった事情もあり、本体が故障した場合は新品に買い替えるのが一般的です。
凍結による配管破裂
給湯器周りでよく起きるトラブルが、凍結によって配管が破裂してしまうことです。
基本的に給湯器には凍結防止機能が付いており、気温が下がって凍結の恐れがあると判断すると、自動的に給湯器を回してお風呂などへ少量のお湯を排出するような作りになっています。
しかし、それでも予測を上回る勢いで外が冷え込めば、防止機能を超えて凍結してしまいます。寒い日には敢えて給湯器を回すなど、最低限の対策を講じましょう。
なお、凍結によって配管が破裂した場合には業者を呼んで管を交換しなくてはいけません。
給湯器修理費用の相場

給湯器修理の費用相場は、一体どれくらいなのでしょうか?
修理の見積りを依頼するにしても費用の相場を知らなければ、法外な請求金額かどうか判断ができません。もしものときのために、修理費用の相場は知っておきましょう。
給湯器を購入してから10年以内であればメーカーの保証期間内である可能性があります。この場合メーカーに直接修理をお願いすれば修理費用は0円で済みます。まずは給湯器が保証期間内かどうかを調べてみましょう。
保証期間を過ぎていた場合の修理費用の相場は8,000~15,000円程度(内訳:作業代・部品代など)となっています。依頼先は水漏れ修理業者・メーカー・ガス会社の三択になりますが、早さと安さを優先するなら水漏れ修理業者がおすすめです。
修理を急いでおらず、安さよりも確実性を優先するのであればメーカーやガス会社の方が良いでしょう。
ただし、給湯器から煙が出ていたり変な匂いがしていたりする場合は緊急性を要します。すぐに使用を注意し、もしガス臭いと感じたらお住まいの地域のガス漏れ通報専用電話に連絡してください。
おすすめの給湯器水漏れ修理業者3選
給湯器の水漏れ修理は水道修理業者に依頼することができますが、業者によって給湯器は対応外であることも。こちらでは給湯器の修理に対応しているおすすめの修理業者を3つご紹介します。
水道救急センター

水道救急センターは全国展開ではないものの、しっかりと料金が明記されている信頼性の高い水道修理業者です。給湯器の水漏れ修理に関してもしっかりと料金が表記されているので安心です。
新品交換になった場合の相場
修理では直らないと判断された場合は、新品に買い替えることとなります。新品交換にかかる費用ですが、相場は100,000~150,000円程度(内訳:給湯器本体代・撤去代・処分代・作業代など)が一般的です。交換する給湯器のタイプによっても相場が変わります。
給湯器のタイプ | 本体価格の相場 |
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オート・追い炊きなしの給湯専用モデル | 5~10万円 |
オートタイプ(シンプルなエントリーモデル) | 12~16万円 |
オートタイプ(シンプル機能+エコジョーズ) | 16~22万円 |
ガス式から電気式への交換はさらに高額に
ガス給湯器と比べて、電気給湯器の本体価格は基本的に高額です。
例えば最新のエコキュート給湯器であれば最低でも20万円、高いものであれば70万円ほどするものもあります。
本体価格が高いことも懸念点の一つですが、そもそもそれまで使用していたガス式とは根本的な給湯の仕組みが異なるため、新たに設置するには大掛かりな工事が必要となります。
集合住宅においては特にですが、ガス式から電気式への途中移行は現実的ではありません。
給湯器の寿命と買い換え時期

一般的にガス式給湯器の耐久年数は10~15年と言われています。電気式給湯器であれば寿命はさらに延び、15年~20年は使えます。いずれも意外と長く使えるものであり、交換時期が来る頃には修理しようにも廃盤になっていて部品がないことも珍しくありません。
ですので、使用開始から10年以上が経過し、以下のような症状が出たら新品への交換を検討してよいでしょう。
- 給湯器から異音が出る
- 排気口の近くが黒ずんでいる
- 熱いお湯がでない、給湯能力が低くなった
- 給湯器のまわりでガスの臭いがする
特にガスの臭いがする場合は、早急な対処が必要になります。早めに専門業者に連絡し、交換を前提とした修理依頼をしましょう。
給湯器の水漏れ修理に関するまとめ
給湯器周りでの水漏れは、主に給湯管の経年劣化が原因で起きるものですが、他の水漏れに比べてトラブルへの対処は慎重に行わなくてはいけません。特にガス式給湯器の場合、素人が下手に自分で直そうとすれば、ガス漏れなど新たなトラブルに発展してしまう可能性があるからです。
また、給湯器本体で起きる水漏れに関しては、修理よりも新品への交換が推奨される場合がほとんどです。
10年以上使って調子が悪くなった場合、それは給湯器本体の寿命である可能性が高いので、交換を前提に修理業者に連絡をして対応しましょう。