トイレの詰まり・水漏れ

トイレはどの家にも設置されている、私たちの生活には欠かせないものです。生活する上で毎日使用するため、詰まりや水漏れなどが起きた時、早急な対応を迫られます。
ここでは、トイレのトラブルに対する主な修理方法や料金相場を中心に解説します。
また、そもそもトラブルを起こさないための予防についても記述していますので、そちらも興味があればチェックしてみてください。
トイレの種類と多様化するトラブル
修理方法や費用を解説する前に、現代のトイレの種類について確認しておきましょう。
トイレにも様々な種類があり、その型式に応じて対応の仕方も変わってきます。
大きく分けると、タンク一体型かタンクレスかの2種類になり、それぞれにメリットとデメリットがあります。簡単にまとめると以下の表の通りです。
項目 | タンク一体型トイレ | タンクレストイレ |
---|---|---|
洗浄方式 | タンクに貯めた水で流す | 電動ポンプによって水を流す |
節水性 | 普通 | 高い |
デザイン性 | 普通 | タンクがない分スペースが取れてデザイン性も高い |
故障リスク | 普通 | 電気系統が多い分、高まる |
タンク一体型トイレとは

洋式トイレの中でも基本となるのが、タンク一体型です。
タンク式(タンク一体型)がどういうものかというと、水をタンクの中に貯めておき、使用時にレバーを引くとそこから一定量の水が流れ、便器が洗浄される仕組みになっているものです。
水を流す原理がシンプルでタンクレストイレのように電気を動力源としないため、災害時にも水さえ止まらなければ機能する点優れています。
このタンク一体型トイレが主流になってからかなりの時間が経ちますが、ベースとなっている仕組みは今も変わりません。
- 節水機能
- ウォシュレット
- 暖房便座
- パワー脱臭
- 人感式&モーター式のオート便座開閉
- 自動除菌機能
最近では上記のような機能を搭載したものも増えています。
タンクレストイレとは

直近に一番増えているのが、タンクレストイレです。
タンクレストイレには、文字通り洗浄のために水を貯めておくタンクがなく、従来のトイレとは仕組みからして一線を画します。
排水の方法はいくつかに分類されますが、電動ポンプの圧力で水を流すものが主流です。この方式には、停電になると水を流せなくなるというデメリットがあります。
タンクがない分、スペースを多く確保でき、デザイン的な先進性は感じられます。水漏れや電気系統の故障などのリスクがやや高いのが気になるところです。
少ない量の水で便器の洗浄ができるため、水道代の節約という面では強いですが、故障などのリスクを考えるとコストはタンク一体型トイレより高くなる可能性があります。
故障原因やトラブルも多様化
どちらの種類のトイレでも、一番多く発生するトラブルは排水不良や詰まりです。
故障の原因はトイレの種類によって変わります。
タンク式トイレはボールタップやフロートゴム、給水管など、多くのパーツから構成されていますが、これのどこかが劣化したり故障するとトイレとして正常に機能しなくなります。
単純な水道蛇口などの水漏れに比べ原因究明も難しくなるため、やはりプロの業者に依頼して症状を見てもらい、修理を依頼するのが安全でしょう。
また、最近ではトイレの高機能化が進んでおり、その機能が増えた分だけ故障のパターンも多様化しています。
例えば人感式センサーによる便座自動開閉機能が付いているトイレであれば、センサーやモーターが故障することもあります。最新式のトイレは様々な面で進化しており便利ですが、こういった故障リスクが高まることを理解した上で購入するか検討しましょう。
トイレの水漏れ修理方法

では次に、トイレで起きたトラブルの具体的な修理方法について解説します。
トイレで起きるトラブルは主に以下の3つです。
- 水が詰まる
- 水が流れない
- 水が止まらない
これらの症状を改善するためにはどうするべきなのか、予め知っておくと安心です。
また、最近では水回り以外にもウォシュレットなど電気系統のトラブルも増えています。これは水漏れとは別の修理になります。電気系統の故障についてはメーカーに修理の依頼をする他ないでしょう。
まずは水を止めてタンクを確認
「とにかくトイレ周りでの水漏れを止めたい!」という状況であれば、トイレに水を供給している止水栓を止めてしまうことです。
止水栓は、壁からロータンクに繋がっているパイプの部分にあり、マイナスドライバーがあれば簡単に閉めることができます。
逆に水が流れないという場合は、この止水栓が閉まっていないかをまず確認しましょう。
止水栓を閉めてからトイレの水を流せば、タンクの中の水がなくなり、中の様子も確認しやすくなります。
タンクの中は複雑な構造をしており、一部に不具合があることで全体が正常に機能せず、それが水漏れにつながっている場合もあります。
原因を突き止める
まずは原因を究明するところからですが、軽微な症状であれば自身の手で直してしまうのもよいでしょう。
ただしトイレでの水漏れは、素人では手に負えないレベルのものであることも少なくありません。
少し見てみて、厳しそうだと感じたら無理はせず、プロに依頼をしましょう。
よくあるタンク内の故障
ボールタップやゴムフロートの不具合で、タンク内で過剰に水が溜まってしまい、周辺から水漏れします。
タンク内のトラブルは非常に多く、水漏れ以外にも下記のような症状が考えられます。
- 流れが悪くなる
- 便器内に溜まる水量が増減する
- チョロチョロと水が出続けている
このような症状が見られた場合はタンク内の故障を疑いましょう。
よくあるウォシュレットの故障
ウォシュレットを使用していない時も、常に水が漏れ続ける状態になるトラブルが多いです。
リモコンの電池切れや不具合、そしてウォシュレットのボタンの接触不良など様々な原因が考えられます。
排水管の詰まり
便器は破損していないのに床に滲むように水漏れを起こしている場合、トイレの下にある排水管が詰まっている可能性があります。
症状によってはトイレを流す程度はできますが、根本の改善をしない限り床下から少しずつ浸水してしまいます。
この場合は素人で対処するのは困難なため、修理業者を呼ぶしかありません。
便器の破損
何らかの衝撃で便器の陶器部分が破損し、そこから水漏れを起こすこともあります。
ひび割れや小さな穴ができて軽微な水漏れを起こしている程度であったとしても、便器自体の強度が大幅に低下しているため、その後に重度の水漏れへと発展する恐れがあります。
修理方法は原則として便器そのものの交換になりますが、この場合は水道修理業者よりも水回りに強いリフォーム業者へ相談した方が安くなります。
トイレの修理料金相場

トイレの水漏れや詰まり修理を依頼するにあたり、気になるのは「費用はどれくらいかかるのか?」ではないでしょうか。
もしもの緊急時に料金を気にして色々比較する余裕はありませんし、事前に適正な価格で適切なサービスを提供してくれる業者を探しておくと安心です。事実、不当に高額な料金を請求してくる悪質な業者は存在します。
まずはトイレの修理にかかる費用がどれくらいなのか、料金相場を知っておきましょう。
よくあるトラブル | 修理内容 | 料金相場 |
---|---|---|
トイレットペーパーを流しすぎて詰まった | 軽度の詰まり解消 | 8,000~10,000円程度 |
異物を流して詰まった | トーラーや高圧洗浄機を使った詰まりの解消 | 15,000~30,000円程度 |
大きな異物が流れ込んでしまった | 便器を取り外して詰まりを取る | 30,000~50,000円程度 |
タンク内部の水が止まらない | ボールタップやゴムフロートの交換 | 8,000~15,000円程度 |
給水管や止水栓からの水漏れ | 水漏れ箇所の修理・交換 | 8,000~15,000円程度 |
便器やタンクが割れている | 便器やタンク本体の交換 | 50,000~100,000円程度 |
ウォシュレットが故障した | ウォシュレットの修理・交換 | 10,000~50,000円程度 |
トイレを新しくしたい | 最新式トイレへのリフォーム工事 | 200,000~400,000円程度 |
シンプルな修理は 8,000円~が相場
よくあるトイレの水漏れや詰まりの修理相場は8,000~15,000円程度(内訳:作業代・部品代・出張代など)です。
便器の破損を伴うケースや複雑な作業が必要な修理となれば、これよりも高くなります。
中にはどうしても高額になってしまうケースもあります。
トイレ内に大きな詰まりが発生している場合、高圧洗浄とトーラーを使った作業が必要になります。こうなると修理費用の相場は15,000~30,000円程度と跳ね上がります。
悪質業者は、本来相場価格で簡単に直せるような症状でも、追加料金が必要な機材での修理が必要だと嘘の説明をした上で高額請求してきます。怪しいなと思っても、実際に家にまで来て現場を見てもらっている以上断りにくいものです。「やっぱりやめて他の業者に…」とはなかなか言い出せません。
大事なのは、初めから信頼できる業者を押さえておくことなのです。
ロータンクや便器の交換が必要なケース
便器やロータンクの交換が必要となると、修理費用は更に高くなってしまいます。
この場合、作業代のみで20,000円程度となるのが一般的で、便器などの本体代と合わせると50,000円以上の出費は覚悟しなければいけません。
また、古いトイレを最新式のトイレに変えたい場合、排水芯の形状が異なることから大掛かりなリフォームが必要となります。トイレのフルリフォームになると総額で200,000~400,000円程度はかかると思っておきましょう。
おすすめのトイレ修理業者3選
トイレの水漏れや詰まりの修理を得意としている水道修理業者を3つに厳選してご介します。
タンクレストイレは要注意
タンクレストイレの場合、水道修理業者を呼んでも簡単にトラブルを解決できない場合があります。
水を流す制御を行っている電子基板が故障してしまった場合、水道管などは正常だとしてもトイレとして機能しなくなります。これは水道の修理業者では手の施しようがなく、メーカーに連絡して修理依頼をしなければなりません。
また、タンクレストイレは水道管から来る水圧だけを使って水を流す仕組みになっています。したがって、住宅そのものの水圧が弱いと最低限の水圧・水量を確保できずに詰まりを繰り返してしまうことがあります。
マンションの高層階などに多く見られるトラブルで、家の水圧そのものに原因があれば水道業者を呼んでも対処できない場合があるので注意しましょう。
トイレの詰まり予防策

トイレが詰まり水が流れなくなったり、溢れてきたりしたら非常に厄介です。
そんなときに、いつでも24時間駆けつけてくれる水道修理業者がいれば安心ですが、そもそもそのような事態にならないように予防策を実践することが大切です。
トイレを詰まらせない予防策は、「なぜトイレは急に詰まってしまうのか」を考えることからヒントが得られます。トイレが詰まってしまう原因について考えてみましょう。
おすすめのトイレ修理業者3選
大きな原因となるのが、トイレットペーパーを一度に、大量に流してしまうことです。
これを事前に予防するためにも、トイレットペーパーを1度に流す量には気をつけましょう。
どうしても使う量が増えてしまうときは何度かに分けて流すようにするなど、普段から気を付けておけばトイレットペーパーによる詰まりはまず起こりません。
特に吸水性の優れた厚手のトイレットペーパーをお使いの場合は、通常のトイレットペーパーと同じ感覚で流してしまうと詰まりやすくなってしまうので気をつけましょう。
ウォシュレットを使う
トイレットペーパーで拭く前にウォシュレットで洗浄すれば、トイレットペーパーの使用量を抑えられます。一度にたくさんのトイレットペーパーを使ってしまう人や、うっかり大量の紙を一度に流して詰まりを起こした経験がある方は、日常的にウォシュレットを使う癖をつけましょう。
ウォシュレットは比較的簡単に後付けができるので、現状設置されていないトイレをお使い場合は、詰まりの予防も兼ねて導入を検討してみてください。
トイレットペーパー以外は流さない
トイレが詰まる原因として最も多いのが、異物を流し込んでしまうことです。
トイレットペーパーがなくて、ついついティッシュペーパーを代用してしまう人がいますが、これもNGです。ティッシュペーパーはトイレに流されることを想定していないため、水溶性が低く詰まりやすいものです。
また、たばこを便器の中に捨ててしまう人が稀にいますが、これもトイレを詰まらせる原因になります。
その他キッチンペーパーや新聞紙、折り込みチラシなど、トイレットペーパー以外の紙をトイレに流すのは絶対にやめましょう。
発泡洗浄剤でお手入れする
トイレの排水管には少しずつ汚れが付着していき、その結果として水の流れが悪くなり、異物が詰まりやすくなります。
こうした経年劣化による詰まりを予防するために、定期的に配水管を綺麗にするお手入れを行いましょう。
これには発泡タイプのトイレ専用洗浄剤がオススメです。
専用の発泡洗浄剤でも、長い年月をかけて付着した頑固な汚れは落とせる量が限られます。予防効果を高めるためにも、新しいうちから定期的に発泡洗浄剤を使って頑固な汚れを防ぎましょう。
トイレ水漏れ・詰まりのまとめ
「軽微な症状であれば自分で直したい」と思う人も多いです。自分で対処できれば業者に支払う修理費用が浮くわけですから、そう考えるのも理解できます。
しかし、トイレ周りで起きる水漏れトラブルを素人の手だけで対処するには、ハードルが高いというのが現実です。
大事なのは水漏れトラブルを起こさないために、普段の生活の中で意識して予防策を講じることです。丁寧に使っていれば簡単に壊れるものではないので、それだけでも随分と変わります。
そして、それでも水漏れが起きてしまったときは止水栓を閉めるなど最低限の応急処置だけは行い、あとの修理はプロに任せましょう。
修理を依頼する業者の選定はとても大事です。今のうちから安心して任せられる業者の目星を付けておきましょう。